定期健診
当院では健康診断として、定期健康診断を行っています。これは、労働安全衛生法第66条に基づいて行われる健診(企業健診)のひとつで、一般健康診断にあたるものです。定期健康診断は、常時勤務している労働者に対して1年以内に1回実施する必要のある健診になります。主な検査項目は以下の通りです。
定期健康診断(定期健診)
- 事業者は常時使用する労働者を雇い入れる際は、その労働者に対して、下記の項目について、医師による健康診断を行わなければなりません(労働安全衛生規則第43条)。
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- 既往歴、業務歴の調査
- 自覚症状、および他覚症状の有無の検査
- 身長、体重、視力、聴力の検査、および腹囲の測定
- 胸部X線検査、および喀痰検査
- 血圧測定
- 貧血検査
- 肝機能検査(ALT、AST、γ-GTの検査)
- 血中脂質検査(LDL コレステロール、HDLコレステロール、血清トリグリセライド)
- 血糖検査(空腹時血糖、またはHbA1c)
- 尿検査(尿中の糖、および蛋白の有無の検査)
- 心電図検査
※身長・腹囲、胸部X線、喀痰、貧血、肝機能、血中脂質、血糖、心電図の各検査については、医師が必要でないと認めた場合には、省略することができます
予防接種
当院は予防接種として、インフルエンザと肺炎球菌のワクチン接種を行っています。ワクチンとは、細菌やウイルスなどの病原体の病原性を非常に弱めたか、無力化させた薬剤になります。これを接種していくことで、その病原体による感染症に罹っていなかった場合でも免疫がつけられるようになります。これによって、同じ病原体に感染してしまったとしても症状がみられない、あるいは重症化するリスクが避けられるようになります。なお当院では、インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンの予防接種を行っています。
インフルエンザワクチン
インフルエンザウイルスに感染することで、高熱や喉の痛みなど風邪に似た症状や関節や筋肉などの痛みもみられる呼吸器感染症がインフルエンザです。同疾患を予防する対策としては、こまめな手洗いやうがい、マスクの着用などがありますが、最も有効な対策とされているのが、インフルエンザワクチンの接種です。
なお同ワクチンを接種する場合は、接種時期も重要で、日本ではインフルエンザが毎年12月~翌3月頃までに流行します。またインフルエンザワクチンは、1回の接種で持続期間が約5ヵ月、接種後に効力を発揮するまで2週間程度かかることから、より効果を高くしたいと考えているのであれば、11月中旬頃までに受けられることをお勧めします。
ちなみにインフルエンザは、年齢によって接種回数が異なります。13歳未満のお子さんであれば2回接種が必要で、13歳以上から1回の接種になります。また2回接種する場合は、1回目の接種から2~4週間の間隔を空けてから受けるようにしてください。
インフルエンザワクチンの費用に関しては、全額自己負担となりますが、京都市では高齢者のインフルエンザワクチンの予防接種について一部費用を助成しています。対象となる方、接種費用などの詳細は、京都市の公式ホームページをご覧ください。
京都市の高齢者インフルエンザ定期予防接種については→こちら
肺炎球菌ワクチン
細菌やウイルスなどの病原体に感染する、あるいは薬剤やアレルギーなどが原因となって肺が炎症を起こしている状態を肺炎と言います。発症すると、発熱、激しい咳、息切れや呼吸困難などの症状がみられるのが特徴で、子ども、高齢者、基礎疾患をお持ちの方など、免疫力が落ちている方に罹りやすいのも特徴です。
肺炎は日本人の死亡原因の第5位(2017年(平成29年)厚生労働省「人口動態統計」より)に数えられる病気ですが、亡くなられた方のうち95%以上の方が65歳以上の高齢者となっています。また、肺炎に罹患する原因は先にも述べたようにひとつではありませんが、成人が発症する肺炎の4分の1~3分の1の方については、肺炎球菌による感染が原因とされています。なお、高齢者の肺炎球菌ワクチンの予防接種は定期接種となっていて、京都市では高齢者の肺炎球菌ワクチンの予防接種の費用の一部を助成しています。ただし、全ての高齢者を対象とはしていないので、詳細につきましては京都市の公式ホームページをご確認ください。
なお、費用の一部助成の対象とならない方でも全額自己負担にはなりますが、接種することはできますので、お気軽にお問い合わせください。また同ワクチンの再接種を希望される場合、5年以内に再接種となると注射部位に強い痛みが現れます。このような状態にならないためにも以前接種した日付はメモしておくなどして覚えておくことが大切です。
京都市の高齢者肺炎球菌ワクチンの定期の予防接種については→こちら